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てんかん診療Q&A

てんかん診療Q&A 執筆・監修:松浦雅人先生 東京医科歯科大学 名誉教授/田崎病院 副院長 てんかん診療Q&Aトップへ

Q&A

総 論:

てんかん発作とてんかん症候群の分類は?

てんかん発作1)には全般発作部分発作の2種類がある(表1)。両者の鑑別は重要であり、それぞれの第1選択薬が異なる。全般発作の第1選択薬はバルプロ酸ナトリウムで、何らかの理由でバルプロ酸ナトリウムが使えないときは、欠神発作にはエトサクシミド、ミオクロニー発作や脱力発作にはクロナゼパムなどを用いる。一方、部分発作の第1選択薬はカルバマゼピンで、副作用などの理由でカルバマゼピンが使えないときは、フェニトインまたはゾニサミドなどを用いる。

表1.てんかん発作1)と第1選択薬

分類 発作型 第1選択薬
全般発作 欠神発作
ミオクロニー発作
強直発作
強直間代発作
脱力発作
バルプロ酸ナトリウム
部分発作 単純部分発作
複雑部分発作
二次性全般化発作
カルバマゼピン

てんかん症候群2)は、全般発作を起こす全般てんかんと、部分発作を生じる部分てんかんがある(表2)。また、それぞれに原因が不明な特発性てんかんと、原因が脳病変と考えられる症候性てんかんに分けられる。これら4つのてんかん類型は、それぞれの予後が異なる。特発性全般てんかんは、薬物治療により82%の例で発作が消失するが、症候性全般てんかんでは発作消失が実現できた例は27%にとどまる。特発性部分てんかんは成人期には寛解するが、症候性部分てんかんでは発作消失が35%にとどまる。とくに海馬硬化を伴う内側型側頭葉てんかんでは、発作消失が実現できた例は11%にすぎない3)

表2. てんかん症候群2)と予後

  特発性てんかん 症候性てんかん
全般てんかん   小児欠神てんかん
若年性ミオクロニーてんかん
覚醒時大発作てんかん
など
ウエスト症候群
レンノックス症候群
など
<予後> 80%以上で発作抑制
投薬中止により再発
発作の抑制は困難
知的障害を伴うことが多い
部分てんかん   いわゆるローランドてんかん
良性後頭葉てんかん
(早期発症型、晩期発症型)
など
前頭葉てんかん
側頭葉てんかん
頭頂葉てんかん
後頭葉てんかん
<予後> ときに無治療で経過観察
成人期以前に治癒
発作の経過はさまざま
難治例には外科治療

特発性部分てんかんには好発年齢があり、小児期早期には良性後頭葉てんかんの早期発症型(パナイトポーラス型)が発症し、学童期には中心側頭部に棘波をもつ小児良性てんかん(いわゆるローランドてんかん)が、学童期後期には良性後頭葉てんかんの晩期発症型(ガストー型)が発症する。最近、特発性部分てんかんを「年齢依存性焦点性てんかん」と呼び、症候性部分てんかんを「年齢非依存性焦点性てんかん」と呼ぼうと提案されたが、良い呼称だと思われる。

各薬剤のご使用にあたりましては添付文書をご参照ください。

文献

  1. Commission on Classification and Terminology of the International League Against Epilepsy. Proposal for revised clinical and electroencephalographic classification of epileptic seizures. Epilepsia 22: 489-501, 1981.
  2. Commission on Classification and Terminology of the International League Against Epilepsy. Proposal for revised classification of epilepsies and epileptic syndromes. Epilepsia 30: 389-99, 1989.
  3. Semah F et al: Is the underlying cause of epilepsy a major prognostic factor for recurrence? Neurology 51: 1256-62, 1998
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KK-16-05-14322

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