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バイオシミラーとは

バイオシミラーとは

バイオシミラーとは

バイオシミラー(バイオ後続品)とは、国内で既に承認され、特許期間、再審査期間が満了した先行バイオ医薬品に対して、品質、有効性、安全性に関して同等・同質であるように開発されたバイオ医薬品で、先行バイオ医薬品を製造・販売するメーカーとは異なるメーカーが開発したものです。市販後の安全性管理は新薬と同様に行われており、安全性の確保が図られています。 *【参考】バイオ医薬品について ─その特徴と製造プロセス─参照

● 日本で承認されたバイオシミラー(2017年7月時点)
製品名 一般名 製造販売業者 先行品(製品名) 承認年月(製造販売承認)
ソマトロピンBS皮下注「サンド」 ソマトロピン(遺伝子組換え) サンド ジェノトロピン 2009年 6月
エポエチンアルファBS注「JCR」 エポエチン カッパ(遺伝子組換え)
[エポエチンアルファ後続1]
JCR ファーマ エスポー 2010年 1月
フィルグラスチムBS注「モチダ」
同「F」
フィルグラスチム(遺伝子組換え)
[フィルグラスチム後続1]
持田製薬販売
富士製薬工業
グラン 2012年 11月
フィルグラスチムBS注「NK」
同「テバ」
フィルグラスチム(遺伝子組換え)
[フィルグラスチム後続2]
日本化薬
武田テバファーマ
グラン 2013年 2月
フィルグラスチムBS注「サンド」 フィルグラスチム(遺伝子組換え)
[フィルグラスチム後続3]
サンド グラン 2014年 3月
インフリキシマブBS点滴静注用「NK」 インフリキシマブ(遺伝子組換え)
[インフリキシマブ後続1]
日本化薬 レミケード 2014年 7月
インスリン グラルギンBS注「リリー」 インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
[インスリン グラルギン後続1]
日本イーライリリー ランタス 2014年 12月
インスリン グラルギンBS注「FFP」 インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
[インスリン グラルギン後続2]
富士フイルムファーマ ランタス 2016年 3月

2017年7月7日 国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部(http://www.nihs.go.jp/dbcb/TEXT/bs-170707.pdf)より改変(日本で承認されたバイオシミラーを抜粋)

医療費節減が期待されます

近年、がん、糖尿病、関節リウマチなどの領域では、高い有効性を示すバイオ医薬品が開発され、使用量が増加しています。バイオ医薬品の開発・製造には高度な技術が必要で、巨額な費用がかかり、薬価はどうしても高額になります(2014年時点で世界の医薬品売上高のトップ15のうち8品目を占め、販売額割合も、その55%を超すまでに成長)。そのため、国や健康保険の財政への影響が大きく、何らかの対策が求められています。
バイオシミラーの薬価は先行バイオ医薬品の薬価から新薬創出加算を除いた額の70%を基準として設定されていることから、バイオシミラーの使用促進により、医療費節減そして患者さんの経済的負担の軽減が期待されます。

● バイオシミラーの薬価(例)

先行バイオ医薬品に対して「同等・同質」であり、高度な類似性を有します

一般的に化学合成されるような低分子医薬品では、先発品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)は有効成分、品質特性、有効性・安全性の全てが同一です。一方、その名前が示すように、バイオシミラーの品質特性は先行バイオ医薬品と類似しているものの、全く同一というわけではありません。バイオシミラーの先行バイオ医薬品に対する「同等・同質」とは、品質特性が全く同一であることを意味するのではなく、品質特性において類似性が高く、かつ、品質特性に何らかの差異があったとしても、最終製品の有効性や安全性に有害な影響を及ぼさないと科学的に判断できることを意味します。

*バイオ医薬品は培養細胞、大腸菌などの産生細胞を用いて作り出される医薬品です。常に完全に同一の産生細胞を作ることは事実上不可能で、バッチ間において有効性・安全性に影響しない範囲内で品質特性に変動が認められることがあります。バイオシミラーもこれと同様で、先行バイオ医薬品と完全に同一の品質特性をもたせることは困難です。


● 先行バイオ医薬品とバイオシミラー、先発化学合成低分子医薬品とジェネリック医薬品の比較
先行バイオ医薬品 バイオシミラー 先発化学合成
低分子医薬品
ジェネリック医薬品
平面構造
(アミノ酸配列)
同じ 同じ
立体構造
(品質特性)
同等・同質
(高度な類似性)
同じ
有効性・安全性 同等・同質
(高度な類似性)
同じ

厚生労働省 バイオシミラーの現状について(平成27年7月23日)、バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針(平成21年3月4日付 薬食審査発第0304007号)より改変

新薬に準じた評価法によって、「高度な類似性」が実証されています

バイオシミラーの製法はメーカーが独自に開発する必要があります。その上で、品質、有効性・安全性の観点から先行バイオ医薬品と高度に類似していることが実証されると、バイオシミラーとして承認されます。バイオシミラーの先行バイオ医薬品に対する高度な類似性は、品質分析、非臨床試験、臨床試験のそれぞれで、先行バイオ医薬品を対照薬とした直接比較により検証されます。このように、バイオシミラーに適用される承認申請プロセスはジェネリック医薬品とは異なり、新薬に準じたプロセスを踏襲しています。


●バイオシミラーの承認申請時に必要なデータパッケージ
承認申請時に必要な資料 新 薬 バイオシミラー ジェネリック医薬品
起源または発見の経緯および外国における使用状況など O O
製造方法並びに規格および試験方法など O O O
安定性 O O O
薬理作用 O O
吸収、分布、代謝、排泄 O ▲ O
急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、催奇形性、その他の毒性 O O
臨床試験の成績 O O

O:必須 ▲:個別に判断
荒戸照世: 臨床医薬30(2), 93-106(2014)、バイオ後続品の承認申請について(平成21年3月4日付 薬食審査発第0304004号)より改変

有効性・安全性は臨床試験により確認されています

バイオシミラーの承認申請時に臨床試験の成績として求められるのは、臨床薬物動態(PK)試験、薬力学(PD)試験、臨床的有効性の比較試験、そして臨床的安全性の確認試験の結果です。原則としてPKの同等性・同質性の確認が必要とされており、可能であれば臨床効果を反映するPDマーカーを選択して比較することが推奨されています。PK/PD試験によって同等性・同質性が保証できた場合は、有効性の比較試験は省略できることがあります。また、有効性と安全性は1つの試験で検討することもあります。さらに承認後は製造販売後調査が実施され、安全性プロファイルが追跡されます。


●バイオシミラーの臨床試験の流れ

薬理作用が同じであれば、効能・効果の外挿が認められています

先行バイオ医薬品が複数の効能・効果をもつ場合、効能・効果Aについて先行バイオ医薬品とバイオシミラーの有効性が同等・同質であり、かつ効能・効果Bにおいても薬理学的に同様の作用が期待できることを説明できれば、効能・効果Bをバイオシミラーにも外挿することができます。なお、効能・効果の外挿は、対照薬とした先行バイオ医薬品の効能に限られます。また、それぞれの効能・効果で薬理作用(作用機序)が異なる場合や作用機序が明確ではない場合は、効能・効果ごとに臨床試験を実施する必要があります。


●効能・効果の外挿

【参考】 バイオ医薬品について ─その特徴と製造プロセス─

バイオ医薬品(バイオテクノロジー医薬品)とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術などを応用し、微生物や細胞がもつタンパク質(ホルモン、酵素、抗体など)を造る力を利用して製造される医薬品を指します。代表的なバイオ医薬品として、インスリン、インターフェロン、リツキシマブなどがあります。


●バイオ医薬品の特徴

バイオ医薬品は、化学合成の低分子医薬品に比べて分子量が大きく、構造が複雑であり、その品質特性は基本的に製造工程に依存します。すなわち、微生物や細胞の状態によって生産物が変わり得ることから、バッチ間で有効性・安全性に影響しない範囲内で品質特性に変動が認められることがあります。


●バイオ医薬品の製造プロセス
KK-17-12-20859